星の王子さまというタイトルは知っているものの実は読んだことが無いという人やこれから読んで読書感想文を書かなければいけない学生向けにあらすじやポイントを簡単に紹介します。

 

 

星の王子さま

星の王子さまの著作権について

 

少しむずかしい話なので、興味が無い方はすっ飛ばしてください。

 

 

原著の日本における著作権が2005年に満了したため、岩波書店が独占的にもっていた翻訳権が切れ、数社から相次いで”新約”という形で出版されています。

 

 

訳者が異なるため読んだ出版社によって若干、読後の印象や感想などが異なる可能性があります。

 

 

私は今回の記事を書くにあたり青空文庫で公開されている翻訳と平凡社稲垣直樹さん訳の「星の王子さま」を読みました。

 

 

 

星の王子さまのあらすじを簡単にまとめると

 

星の王子さま

 

あらすじを簡単に紹介する前にぜひともお伝えしておきたいことがあります。

 

 

まずは、僕のように大人になってから「星の王子さま」はどんな話だったのか忘れてしまったのであらすじを知りたいから、この記事を読んでいるという方に向けて僕の考えをお伝えします。

 

 

この物語には本を通じて著者が伝えたいことがありますが、明確なストーリーはありません。

 

 

 

 

この本には27個のエピソードがあり、そのほとんどは誰かと誰かという1対1の対話です。

 

 

 

対話やエピソードの中から著者が伝えたいことはこういうことなんだろうなと想像しながら物語を読み進めていく本です。

 

 

 

一応これから物語の流れを説明しますが、この流れを知ったところで星の王子さまがいったい何を伝えようとしている物語なのかはまったくわかりません。

 

 

どうしても時間が無くて、すぐにでも星の王子さまがどんな話なのかを知りたい方は青空文庫で公開されている「星の王子さま」の献辞「レオン・ウェルトに」と1章だけ読んで下さい。

 

 

2〜3分で読めますが、この本が何を伝えようとしているのかがわかるはずです。

 

 

それを踏まえた上であらすじを紹介しますので、各エピソードを時間があるときに読んでみてください、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが献辞と1章で伝えようとしている内容がより複雑に巧妙に詳細に説明されています。

 

 

→青空文庫:LE PETIT PRINCE(邦訳:あのときの王子くん)

 

 

 

 

 

星の王子さまのあらすじ

 

 

超簡単に説明すると、飛行士である”ぼく”がサハラ砂漠に不時着したら地球以外の星からやってきた小さな王子と出会い、本当に大切なことは「目の前に見えているものではなく、心の目で見たものなんだ」ということを教えてもらう話です。

 

 

※注意
これはあくまでも僕の解釈です。僕はこの本の主題を「大切なものは目に見えない」という部分に置いていて、王子と飛行士の物語としてこの本を捉えていますが、人によっては「王子とバラの物語」という人もいるでしょうし、この本の主題や主人公が誰かという明確な解答は物語の構造上ありえません。

 

 

以下僕なりに星の王子さまの話の流れをまとめるとこのようになります。

 

 

星の王子さまで描かれているエピソード

 

1.僕が6歳のときに絵描きになるのをあきらめ飛行士になった
2.サハラ砂漠で王子と会う
3.王子が地球外の惑星から来た
4.王子の星を発見したトルコ人学者の話
5.バオバブの木について
6.夕日を44回見た王子の話
7.王子がバラのトゲの話をする
8.王子とバラの話
9.王子が自分の星を出発する
10.王様の星に着く
11.自惚れ屋の星に着く
12.酒飲みの星に着く
13.実業家星に着く
14.明かりを点灯する仕事をしている男の星に着く
15.地理学者の星に着く
16.地球の明かりをつけている男の話

17.地球についた王子が蛇と出会い、自分の星に還る方法を教えてもらう
18.王子が一輪の花とであう
19.王子が高い山に登る
20.王子がある家にたくさんバラが咲いているのを見かける
21.王子と狐の話(飼いならすについての話)
22.転轍手と王子の会話
23.薬を売る人と王子の会話
24.飛行士の水がなくなり王子と井戸を探しにいく
25.井戸をみつけ王子が星に還るときがきたと飛行士と会話
26.王子が蛇と会話し、飛行士に別れを告げる
27.飛行士が王子との会話で得たことを回想する

 

 

上記のエピソードの中で王子様が自分の惑星を出発した先で出会う人々が青字の人たちです。

 

 

彼らが語る内容を僕なりにまとめると

 

 

自分以外はすべて家来
自分以外は全員自分のファン(褒め言葉以外耳に入らない)、
酒飲み(欲望を最優先している
役に立たないものを所有している人
意味のない規則に縛られている
世間をしらない学者

 

 

といった人たちで、このような人たちばかりが住んでいる星として描かれているのが地球です。

 

 

 

本当にごく一部の人が他人のために働くことができるヒトとして描かれています。

 

 

これ以外にも著者が考える現実世界の構造がこの物語にはたくさんでてくるので、それを探しながら読むと面白いと思います。

 

 

星の王子さまで読書感想文を書くポイント

 

星の王子さまはそもそも子供向けなのでしょうか?それとも大人に向けて書かれた文章なのでしょうか?

 

 

この本はフランス人のサン・テグジュペリが書いた本ですが、フランスにおいて「子供のための物語」は基本的におとなが大人の視点から子供の教育のために書いた物語としての性質が強いそうです。(参考:「星の王子さま物語」平凡社)

 

 

このことからも子供に現実の社会を生きる上での処世術を教える本という意味では子供向けですが、サン・テグジュペリが考える理想の世界に向けて大人ひとりひとりが何かを考えてほしい本と捉えれば大人向けの本です。

 

 

この本には「自分の力だけでは、おとなたちは何もわかりはしません」という文章以外にもおとなよりも子供のほうが理解力があるという常識とは正反対であろうと思われる記述が随所にでてきます。

 

 

なぜ子供のほうが理解力が大人よりもあるのか、おとなになるとなぜわからなくなってしまうのか?このあたりを考えながら想像しながら物語を読んでいくのも面白いかもしれません。

 

 

読書感想文を書くためにこの記事を読んでいる人もいるかもしれませんし、成人した大人が「星の王子さま」を読んでこの本をどのように解釈するべきなのか迷った人もいるかもしれませんので、その人達に向けて僕がどのようにこの本を解釈したかの一例を紹介します。

 

 

キーポイント

 

 

僕がこの本を読んで、この本を解釈するに辺り重要なキーセンテンスとして選んだのは以下の3つです。

 

 

「心で見なければよく見えてこない。大切なものは目には見えない。」

 

「飼いならす」

 

「君が君のバラのために失った時間こそが、君のバラをかけがえのないものにしている」

 

 

大切なものは目に見えないが心で見れば見えてくる、では心でものを観るとはいったいどういうことなのか?を考えると「飼いならす」と「●●のために失った時間」が重要なのではないか考えました。

 

 

飼いならすという言葉は人間に用いるには不適切な言葉のように感じられます。

 

 

犬などの動物に使われるべき言葉の印象を持ちますが、この言葉に関しては僕は関係を自分から一歩踏み出す行動を取るための勇気や知恵を持った行為と解釈しました。

 

 

この「飼いならす」という言葉の解釈は多様で「手なづける」という表現が正しいのではないかとか、飼いならすとはどのような状況なのか、誰が誰を飼いならしているのか、など多様な解釈を産む言葉なのですが、このように多くの解釈を産む幅の大きさからもこの本が傑作であることがわかります。

 

 

この物語の解釈は読んだ人の数だけある作品といえるかもしれません。

 

 

話がずれてしまいましたが、心で物事をみるためには「飼いならす」だけではできません。

 

 

もう一つ重要だと僕が考えるのは、「失った時間」です。

 

 

「失った時間」という表現も解釈の幅を産む言葉です。

 

 

使った時間であれば、自分が知りたいこと、自分が関係を持ちたい人を「飼いならす」ためには時間がかかるんだよと解釈できますが、失った時間と書かれているので異なる解釈が可能になります。

 

 

僕は失った時間という言葉から、2つの意味を読み取りました。

 

 

1.自分から関係をもとうと歩み寄り相手との関係が産まれても相手も同じように歩み寄ってくれて絆が産まれる両方向の関係になれるとは限らず、自分から関係をもとうと歩み寄っているだけの一方的な関係に終わることもある。

 

 

この場合、自分のいままでの努力は一見無駄になったように感じれ時間を失ったように感じるかもしれないが、その努力は決して人生において無駄にはならない。

 

 

2.何かを知るということはその対象から離れることであると解釈すると(参考「消えたい」著者高橋 和巳)、自分から関係をもとうと歩み寄るという行為は対象に近づく行為であるが、その対象を本当に知るためにはその対象から距離を取らなければいけない。

 

 

それは客観的に対象を観るということかもしれないし、対象を知ろうとする行為を全く止めて別のことをするということかもしれませんし、今行っていることとを知るために他のことと比較してみることかもしれませんし、何もしないでぼ〜と過ごす時間かもしれません。

 

 

自分が関係を持ちたいと思うことに近づくためにあえて離れる時間を失った時間とすれば、それこそが大事な時間と「星の王子様」は僕達に教えてくれているのかもしれません。

 

 

近づいたら、ちょっと離れる、この繰り返しをおこないたくさんの時間を使わないと本当に知りたいことは見えてこない、真理に近づくためには並大抵の努力では為し得ないということだと僕は感じています。

 

 

 

僕がみつけたキーセンテンスは以上の3つですが、これ以外にも考察すべき言葉がたくさん星の王子さまには描かれています。

 

 

 

例えば、、、

 

 

大人たちは常識が好きだ(自分たちにとって当たり前のことしか認めない)、大人たちは数字が好きだ(数字が最も正確だと思い込みがち)、大人は自尊心の固まりで知らない事がたくさんあるのに生活に関係がないことを知ろうともしない。

 

 

これらを通じてどんなことを感じたのかを文章にしてみると自分なりの”感想”がでてくるかもしれません。

 

 

何か1つ中心となる主題を見つけて星の王子さまを読んでみましょう。

 

 

 

さてここからは小学生や中学生といった子供向けにこの本で考えてほしいポイントを紹介します。

 

 

それはやはり1章に書かれていることです。

 

 

1章にはこのような文章があります

 

「ぼくは6さいで絵かきになるゆめをあきらめた」・・・絵描きを諦めて”おとな”のいうことを聞いて勉強をして飛行士になった「ぼく」にとって勉強は仕事の役にはたったけど、それでなにかいいことがわかったわけじゃない。

 

 

 

あなたが勉強以外に夢中になっていることがもしあったとして、それをお母さんやお父さんからやめろと言われたら、あなたはどうしますか?

 

 

「そんなことはやめて勉強しろ」と言われたらあなたは素直に勉強しますか?

 

 

 

親は僕の気持ちが分かってくれないとふてくされてしまう前にやるべきことがあるということを星の王子さまから学ぶことができます。

 

 

 

僕は勉強以外に夢中になれることがあるのならば、まずはその思いを正直にお父さんやお母さんに伝えてほしいと思っています。

 

 

 

 

星の王子さまから僕が学んだことの1つは、自分から行動を起こさなければ何も状況を変えることができないということです。

 

 

 

どうすれば自分の思っていることをお父さんやお母さん、お友達に理解してもらえるのかを考えてみるとよいかもしれません。

 

 

 

これはあくまでも僕が「星の王子さま」を読んで感じたことです。

 

 

他にも星の王子さまから学べることがたくさんあります。

 

 

たとえば王子が育てているバラは王子様にとってどんな存在なのか?何かを育てるということはどういうことなのか?や親の言うことをきくから子供は可愛いのか?とか、子どもたちが話しかけてくる内容にしっかりと耳を傾けているのかとか、たくさんの主題が見つかると思いますので、あらすじをだけをなぞって星の王子さまを読んだ気になるのではなく、是非本文を読んで、その一文一文を味わってほしいなと思います。

 


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