原田マハ著「サロメ」を読んだので感想をまとめした。

 

 

サロメを書いたオスカー・ワイルドと挿絵を書いたビアズリー、この二人に関する知識がなくても「サロメ」は面白いのか?答えは面白い。

 

 

2時間ほどでさくっと読めます。

 

 

本をより面白く読むための個人的注目点をまとめたあらすじあり。

 

 

 

原田マハサロメは知識ゼロでも読めるのか

 

戯曲「サロメ」もオスカー・ワイルドも名前ぐらいは知っているな〜という程度の知識、表紙の絵も作者であるビアズリーも全く僕は知りませんでした。

 

 

それでも本自体はとてもおもしろかった。

 

 

読了までにかかった時間は、2〜3時間程度。

 

 

数日かけて読んだのですが、一気読みすれば2時間程度で読めるはずです。

 

 

サロメの内容を全く知らなくても問題なく読めますし、オスカー・ワイルドとビアズリーの関係を知らなくても読めます。

 

 

 

すべて本を読み進んでいけばわかるようになります。

 

 

 

史実に基づいて書かれたフィクションなので、戯曲「サロメ」やサロメの基の話である聖書の『マルコによる福音書』を知っていたほうが楽しめると思いますが、気になった時にwikiを読めば十分ですし、本の中で重要な部分は引用して紹介されます。

 

 

ビアズリーの作品についてまったく知らなくても本の表紙の絵がビアズリーのサロメのクライマックスを描いた絵そのものなので問題なし。

 

 

 

※上記画像は絵を紹介するために、楽天のアフィリエイトシステムを使って画像を掲載しています。
クリックすると楽天の販売ページに飛んでしまうので興味がない方はクリックしないでください。

 

 

 

原田マハさんの著作は「楽園のカンヴァス」もこのサロメのように未発表の作品が見つかり、その真贋を鑑定するというストーリーなんですが、その作品にはたくさんの絵画が物語に出てきて、その絵を知らないと物語が面白くないように感じ、ネットで本で紹介されている絵をまとめて掲載してくれているまとめサイトで絵を確認しながら読んだのですが、「サロメ」はビアズリーの作品や他の画家の絵を確認せずに読み進めることができました。

 

 

余談ですが、楽園のカンヴァスは題材がアンリ・ルソーの絵だったのですが、遠近がなくほとんど素人の絵に近いという一見稚拙に見える技法で描かれた絵に興味があったのでアンリ・ルソーの絵や本の中に登場する画家の絵を見たくなってしまいましたが、ビアズリーは見る人すべてが魅了された天才的な才能によって描かれた絵であり、作風は一貫したものがあるように感じたのでネットで彼の作品を画像検索してざっと見た程度しか調べませんでした。

 

 

サロメ 原田マハ あらすじ

 

あらすじとしてまず知っていただきたいのは上記画像の本の帯に書かれている「オスカー・ワイルドとビアズリーの愛憎」が描かれているのは間違いがないのですが、この本にはもう一人の登場人物がいます。

 

 

それはビアズリーの姉女優のメイベル・ビアズリーです。

 

 

物語はメイベルの視点を通して語られます。

 

 

もう一つ重要な話の展開として、未発表のサロメが現代のロンドンで発見されるという冒頭のストーリー。

 

 

ワイルド研究家がビアズリー研究家に、新発見の「サロメ」の絵を見せる。

 

 

その未発表の「サロメ」に描かれている表紙には有名なクライマックスシーンが従来の絵と異なっていた。

 

 

その絵は紛れもないビアズリー真筆であったが、生首の顔がまったくの別人だった。

 

 

この絵を見せる前にワイルド研究家がビアズリー研究家に「サロメ」は誰が書いたと思われますかと質問します。

 

 

ビアズリー研究科は「オスカー・ワイルド」と答えます。

 

 

ワイルド研究家はビアズリー研究科に未発表版を見せてこう言います。

 

 

「これは新発見ではなく、事件だ」

 

 

 

ここまでがあらすじです。

 

 

 

そしてこれがこの本における最も重要な問いかけ。

 

 

「サロメ」を書いたのは誰なのか?

 

 

 

もちろん作者はオスカー・ワイルドです。

 

 

 

これは間違いがないし、本でもその設定は史実通り。

 

 

現代におけるサロメの評価は僕はまったく知りませんが、本に書かれていることとしては「サロメ」がセンセーショナルだったのは、タブーを描いた内容もさることながら、ビアズリーの挿絵こそがセンセーショナルだったからだと冒頭でビアズリー研究科の視点ではありますが主張されます。

 

 

つまり、サロメはオスカー・ワイルドが書いたものだけどビアズリーの挿絵があったからこそ後世に名を残す作品になったのだと。

 

 

そんなサロメの未発表版に描かれているの挿絵がなぜ従来のものと違うのか?そして「サロメ」を書いたのは誰かという研究者の質問の意味は?なぜこの未発表版は新発見ではなく事件なのか?これを読み解いていく物語。

 

 

未発表作品があるという展開は珍しい手法ではありませんが、この作品はただ単純にその謎を追って行くミステリー作品ではありません。

 

 

オスカー・ワイルド、ビアズリー、メイベル・ビアズリーの3人がどのように「サロメ」を産んでいくのか、徐々に崩壊していく3人の関係が最後に一気に冒頭の謎を回収する点は見事です。

 

 

スポンサーリンク

 

 

原田マハ「サロメ」ネタバレ

 

 

以下に重大な本に関するネタベレを書きますので未読の方は注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未発表のサロメに描かれていたのは包帯を巻いた男。

 

 

 

サロメが首を欲しがった預言者ではなく別人が書かれています。

 

 

 

そしてこの包帯を巻いた男こそが、晩年のオスカー・ワイルドです。

 

 

 

未発表作品に描かれていたのはワイルドに口づけをしようとするサロメの絵。

 

 

でもこの絵は印刷された絵の上から肉筆で加筆されている。

 

 

そしてこの絵の下に白い便箋にかかれた戯曲ではない物語が書かれている。

 

 

物語の主人公はメイベル。

 

 

 

という内容です。

 

 

 

これいくらでも解釈ができる終わり方になっていると思います。

 

 

 

  1. 姉がサロメになってしまった
  2. サロメはビアズリーで、預言者がオスカー・ワイルド、サロメに褒美を与える王がメイベルであり聖書をモチーフにしていない
  3. 事件とは姉がオスカー・ワイルドを殺したこと??

 

 

などなど色々な解釈できます。

 

 

 

未発表作品から出てきた物語というのは私達が読んできた物語そのものだと思うのですが、最後に描かれているラストシーンだけを差しているのかもしれません。

 

 

 

聖書をモチーフにした戯曲ではなく、オスカー・ワイルド自身を含めた三者の物語だとすれば、作者はオスカー・ワイルドだけでなく、3人で作った物語といえるのかもしれません。

 

 


スポンサーリンク