MENU

城

 

 

まずは最初に小学生のような感想から始めます。

 

 

ちょっと泣きそうになりました。

 

 

もちろん面白かった、感動したという意味で。

 

 

 

何が面白かったのか、後で簡単にあらすじを紹介しますが、よくありがちなミステリーSFな序盤の展開から、現実の世界に戻る中盤から終盤までの疾走感と伏線を回収し、スッキリと終わる読後感が心地よかったからです。

 

 

この本を読んで救われるとか、助け合うことの美しさとかを強調するつもりはありませんが、いじめによって不登校になってしまった中学生が登場人物になったいるだけに、この本を読んで勇気が出る人もいるかもしれませんが、そんな肩肘はらずエンターテイメントとして愉しめば良いと思います。

 

 

 

かがみの孤城あらすじ ネタバレなし

 

 

4月から中学生になったばかりの「こころ」は見に覚えのない原因でいじめられるようになり不登校になった。

 

 

部屋にいるとある日突然姿見が光だし、手を伸ばすと鏡の中の世界に吸い込まれ、目の前にはオオカミのお面をすっぽりかぶったピンク色のドレスを着た小さな女の子が戸惑う「こころ」を城に連れていく。

 

 

城には「こころ」以外に女の子2人、男子が4人計6人がすでに待っており、そこでオオカミ少女は、城とこの世界のルールを説明する。

 

 

  1. 城の中にある願いの部屋にはいる鍵を探す
  2. 城の奥にある願いの部屋に入れるのは1人だけ
  3. 城に入れるのは来年の3月30日まで
  4. 誰かが願いを叶えたらその時点で城は消える
  5. 城にいられる時間は朝の9時から17時まで
  6. 17時以降城にいた場合はオオカミに食い殺される
  7. 周囲に人がいる時は鏡の中にはいれない(城にいけない)
  8. 城に入れるのは招待された7人の中学生だけ

 

 

「こころ」とその他の6人に共通しているのは、何らかの理由で学校に行くことができなくなってしまった子たちということ。

 

 

城2

 

 

城で過ごした時間と現実の世界の時間はリンクしている。

 

 

これ地味に重要です。

 

 

 

鏡を通って城に行っている時間は現実世界でも同じ時間が過ぎるだけでなく、現実の世界からの姿も消えてしまいますが、周囲の人間もいなくなることに気がつくことができます。

 

 

つまり、引きこもりで部屋から一切でてこない子供の場合、鏡を通して城に行った後に親に部屋の中に入られるといなくなったことがバレます。、

 

 

そして、物語の中盤にあるルールが追加されます。

 

 

このルール自体は特に目新しいものではなく、この手のSFには絶対に必要な定番中の定番のルールです。

 

 

ルールは物語に整合性をあたえ、SFと現実をつなぐために必要なのですが、このルールこそがこの物語にとってとても重要になります。

 

 

 

このルールによってすべての伏線が回収されるといってもいいかもしれません。

 

 

かがみの孤城を個人的に評価すると

 

 

さて、いじめなどで心に傷をもった中学生が7人集まり、鍵を探して願いを叶えるために現実の世界ではない城と現実世界を行き来するSFミステリーとなれば、ストーリーはなんとなく想像が付きますよね。

 

 

心に傷がある7人ですから、なかなか打ち解けることができないが、何かのきっかけで自分の負っている傷について話、救われ、最後は困難に打ち勝って現実の世界に戻るという王道のストーリーです。

 

 

多分鍵とは協力しあって”鍵探し”をすることであって、叶う願いはおまけ程度という予想を僕はしました。

 

 

なぜなら願いが叶うのは1人だけだから。

 

 

もし誰かの願いが個人的な願い(例えば金持ちになりたいとか、超モテル人生とか)だったら、残りの6人はまったく救われない。

 

 

それではただのバトルロワイヤルになってしまいます。

 

 

この物語はそんな単純な話ではありません。

 

 

ネタバレはなしなので詳細は明かしませんが、すべての登場人物が成長し、城に来る前より幸せになって物語は終わります。

 

 

これはややネタバレですが、願い事はします。

 

 

誰かが願い事を叶える。

 

 

でもその結果は全員が幸せになる願い事です。

 

 

そんな願い事あると思いますか?

 

 

いまあなたが思い描いている願い事では多分ありません。

 

 

みんなが幸せな学校生活を送るなどの「みんなが○○」系の願いではありません。

 

 

 

僕の個人的なオススメは、読み終えたら冒頭の数10頁ぐらいをパラパラと流し読みしてみること。

 

 

結末を知った上で、もう一度物語を読み返してみると、このシーンのこの言葉は本当はこんな意味が込められているのかという新たな発見があるのもこの物語の面白い所です。