もしこの記事を「冷たい校舎の時は止まる」を読む前に読んでいて、かつ辻村深月さんの作品を読んだことがない方は「スロウハイツの神様」から読むことを強く強くおすすめします。

 

 

「冷たい校舎の時は止まる」は著者のデビュー作なので、この本から読むのは間違った選択ではありませんが、僕は「スロウハイツの神様」を読んで辻村深月の小説が面白かったと感じたのであれば、次の作品として「冷たい校舎の時は止まる」か「凍りのくじら」を読むことをお勧めします。

 

雪

 

 

 

この記事は、冷たい校舎〜を読んだことがない方に向けて書いていますが、若干のネタバレを含みますので、気になる方はネタバレ部分は読み飛ばしてください。

 

 

冷たい校舎〜、は著者が高校生の頃2/3を書き上げて、大学在学中に完成させ、社会人になってから修正しメフィスト賞に応募した作品だそうです。

 

 

高校生の頃に書いていたからこそ書けたのかもしれない丁寧な描写は登場人物の女性達には当てはまりますが、男性達は少し大人すぎる印象なので、高校生の頃の理想の男子像だったのかもしれません。

 

 

誰が自殺し、なぜ雪の降る異世界の学校に閉じ込められたのかという謎が物語の中心ですが、困難な問題に直面したとき人はその問題をどのように乗り越えるのか、または消化するのか(消化の方法には自殺のような最悪の選択も含まれます)について書かれた絶望と希望が書かれた本だと思っています。

冷たい校舎の時は止まる 登場人物

 

 

辻村深月:著者と同名 
鷹野博嗣:深月の幼馴染 メガネがトレードマーク、優等生でクラス委員長、陸上部に所属
菅原 :賭け麻雀で停学あけ、茶髪、片耳に金ピアス
佐伯梨香:短いスカート、茶髪、高級ブランドのバッグ、榊の事が好き
桐野景子:長身で男子のような言葉づかいでサバサバしている、梨香とは付き合いが長い
藤本昭彦:クラスの副委員長、国立大学志望、下心を感じさせないフェミニスト(景子評)で女子から人気がある
清水あやめ:学園で唯一の学費免除特待生、超難関校を受験予定
片瀬充:童顔、梨香が好き?女子を清水以外ちゃんづけで呼ぶ

 

 

 

榊:担任、26歳、生徒から人気がある。深月の幼馴染、鷹野の従兄弟で見た目も似ている

 

 

 

 

なぜ登場人物を紹介したのか?理由は物語に関する超絶ネタバレになるので、この記事の最後に書きます。

 

 

 

 

冷たい校舎の時は止まる あらすじ

 

冬

 

 

講談社文庫のあらすじを紹介します

 

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヶ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない、どうして忘れてしまったのだろう。

 

 

このあらすじからはわかりにくいかもしれませんが、舞台となるのは「雪が降るほど寒い日の無人の学校」

 

 

しかし、この学校は非現実世界であり、自分たちが実際に通っている学校とは何かが違う世界。

 

 

登場人物の8人以外は生徒がいない、3階までしかないのに、4階・5階があるが、そこにはのぼる階段などの手段がないなどです。

 

 

吹雪などの天災によって現実世界の学校で孤立してしまうわけではないというのが、まず最初のポイント。

 

 

だれが、なぜ、どうやって8人の高校生を学校(自分たちの通っていた学校そっくりだがどこかが違う別の空間)に閉じ込めたのか?も大きな謎ですが、あらすじにも書かれているように、なぜ自殺した人物が思い出せないのかが最大の謎となります。

 

 

 

で、ここからは本のネタバレをすこし含みますので気になる方は飛ばしてください。

 

 

僕的にはこの設定を知っておいたほうが面白いと思うので、少し読み進めるとでてくる設定のネタバレをします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あることをきっかけに閉じ込められた8人のうちの一人が自殺したのではないかという疑問に8人は気が付きます。

 

 

 

 

その一人は自殺したことを知っているが知らないふりをして閉じ込められた学校で一緒に行動している。

 

 

 

自殺した人物が作り出した精神世界に自分たちは閉じ込められてしまったようだ。

 

 

 

実際の自殺が起きた17時53分になると誰かが消え、人数が徐々に減っていく。

 

 

 

 

これがこの小説の設定です。

 

 

 

この物語は高校生という微妙な年齢だからこそ感じる、あの年代特有の感情から産まれる事件であり、8人の個性を丁寧に描いた物語です。

 

 

丁寧に描いているがために文庫本で上下巻1000Pを超える長編となっていますが、なぜ自殺した人物を思い出せないのか、自殺したのは誰なのか、どうやったら異世界から現実に戻れるのかというミステリー部分があるためにどんどんと読み進めていくことができます。

 

 

 

彼らがどんな人生を生き、何を考え、どのような学生生活を送っていたかを振り返る形で物語は進みますが、タイプの違う8人にはそれぞれ悩みや葛藤がありが、誰かの葛藤や悩みに読みながら共感できるでしょう。

 

 

 

例えば、彼らはこんなことを感じています

 

 

  • 自分の世界は狭い
  • 狭いけど広げるのは怖い
  • 一人ひとりにレッテル(ラベル)が貼られ、それを剥がすのが難しい
  • 自分を判ってほしいと強く感じていながらも、自分をさらけださず、心の中で相手になにかを求めてばかりいる。
  • 誰にでも優しいのは誰かと深く接するのが怖いから
  • 勉強が出来て周りは天才と褒めるが「勉強」を取ったら個性がなくなる。
  • 将来は家業を継ぐという漠然とした気持ち

 

 

彼らと同年代の読者ならば、学校という閉鎖的な世界を外部から見たらどのように見えるのかが分かるかもしれません。

 

 

本人にとってはとてつもなく大きな悩みや問題でも、周囲の大人や友人達の助けがあれば解決できる問題もあるかもしれないと気がつくかもしれません。

 

 

 

 

冷たい校舎の時は止まる 感想

 

テスト

 

 

僕が読んだ講談社文庫には16章「解決編」のまえに、学校の小論文のような体裁の質問が2つ書かれた問題用紙と解答欄がついていました。

 

 

名前、クラスを書く場所があって、質問は以下の2つ。

 

 

1.僕達がわすれてしまったクラスメートの名前
2.その理由

 

 

質問はあえて原文とは変えてあります。

 

 

で、

 

 

ですよ、僕はその質問の答えは

 

 

 

 

わかりませんでした。

 

 

 

 

いや、15章まで読んで素直に答えればあの人なんですが、理由がわからない。

 

 

 

というわけで最後まで楽しく読めました、、、まる

 

 

 

という正直な感想で終わらせても良いんですが、多くの人にこの本を読んでもらいたいぐらいに面白かったので、僕なりに良かった点を紹介します。

 

 

 

何度も書いていますが、この本は僕の中ではミステリーです。

 

 

文章をさらっと読んでいるだけでは騙されます、トリックがあります。

 

 

トリックに関しては叙述トリックに近いので、ちょっとした文章にヒントがたくさん散りばめられています。

 

 

読み返してみれば、辻褄があう表現や文章がたくさんあります。

 

 

 

以下はネタバレを含んでしまいますが、最後まで読まずに自殺した人物にたどり着くためには、ここに注目して読んでみてくださいという点を書いていきます。

 

 

 

なぜ著者と同名の人物が小説内に登場するのか、
8人のうち誰かが自殺したと登場人物達が考えてしまった理由は、
清水あやめが精神世界のルールをなぜ都合よく説明してくれるのか?

 

 

そしてこれ、最大のネタバレです。

 

 

 

 

知りたくない人はここで引き返すか、別の辻村深月作品に関する僕の記事へどうぞ

 

 

→最初に読むべき辻村深月作品個人的NO1

 

 

「スロウハイツの神様」あらすじ ネタバレ無しの記事はこちらからどうぞ

 

 

スロウハイツの神様あらすじ 「嘘」と「愛」 ネタバレなし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物としてこの記事の最初に紹介した8人の名前をよ〜〜〜く見てみてください。

 

 

 

 

一人だけ他の7人と違いますよね。

 

 

 

 

 

これを言いたいがために、わざわざ登場人物を全員書き出したんですけど、あまりにもネタバレなので最後に紹介しました。

 

 


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