この記事にはドラマ最終回までにつながる最も重要なネタバレを含みます。
(特に原作を読んでいないドラマファンは閲覧注意です)
すべてがfになるの「f」とは、ドラマであの重要人物がでてこない謎について。

 


ドラマ版ではカットされているある人物

ドラマ版の封印再度が完結したので、この感想を書きますが
封印再度にはある重要人物が出てきますが、ドラマ版では見事にカットされています。

 

それは儀同世津子です。

 

原作では萌絵はパズルマニアの世津子から、
香山家の家宝である「無我の匣(むがのはこ)」と「天地の瓢(てんちのこひょう)」の話を聞く
ことから物語が始まります。

 

物語が完結するのに儀同世津子の存在は大きな意味を持ちませんので
登場しなかったとしても封印再度という物語自体は完結できます。

 

しかし、この封印再度にはすべてがFになるから始まる
犀川と萌絵の通称S&M、全10巻において大きな意味を持つある人物が登場します。

 

それが瀬戸千衣という人物です。

 

彼女は儀同世津子のマンションの隣人として物語に登場するのですが
ドラマでは儀同世津子自体が登場しないため瀬戸千衣も登場しません。

 

では瀬戸千衣がなぜ物語において最も重要な存在なのかを紹介します

 

真賀田四季は隠れヒロイン

元ももクロの早見あかりが演じる真賀田四季。

 

彼女はS&Mシリーズ(犀川&萌絵)全10巻における最重要人物であり
犀川創平に天才らしく常人とは違うアプローチですが

 

凡人の感覚でいえば恋愛感情に近いものを犀川に持っている隠れヒロインです。
(意見がわかれますが、S&Mシリーズは真賀田四季シリーズだとする意見もあり
それぐらい彼女の存在はこのシリーズにおいて重要です)

 

といのも作者が自分のエッセイ(ミステリー工作室)において
封印再度を書いた時に残り5冊の構想が決まったが、それはラストを見て頂ければ分かる
という感じの発言をしていますが、それは瀬戸千衣が真賀田四季であることを示唆しています。

 

ドラマを見ている方でもすでにご存知かもしれませんが
ドラマと原作では物語の順番が全く違います。

 

日本語タイトルと英語タイトルにも注目してください。
<原作>
すべてがFになる The Perfect Insider
冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room
笑わない数学者 Mathematical Goodbye
詩的私的ジャック Jack the Poetical Private
封印再度 Who Inside
幻惑の死と使途 Illusion Acts Like Magic
夏のレプリカ Replaceable Summer
今はもうない Switch Back
数奇にして模型 Numerical Models
有限と微小のパン The Perfect Outside

 

<ドラマ>
・ 冷たい密室と博士たち
・ 封印再度
・ すべてがFになる
・ 数奇にして模型
・ 有限と微小のパン

 

作者の森博嗣が封印再度を書いた時点で残りを5冊書くことを決めたので
封印再度に真賀田四季である瀬戸千衣が登場していると思われます。

 

ドラマと原作では物語の順番が違うので瀬戸千衣(真賀田四季)が封印再度に
登場すると時系列が狂うので登場できないのですが

 

封印再度に登場する瀬戸知衣という人物がなぜ真賀田四季なのか
真賀田四季という天才がなぜ犀川創平の身近にいるのかという謎が
有限と微小のパンで明かされる。

 

 

そしてそれは、やはり凡人には理解できないものであり
真賀田四季という天才をよりいっそう際だたせるものであるということが明かされます。

 

 

瀬戸知衣(真賀田四季)は犀川の異母兄弟である儀同世津子を通じて
犀川がどんな人間なのかを彼女なりのアプローチで知ろうとしていたのです。

 

 

原作では世津子が子供を産んでからは瀬戸知衣は世津子宅にて子供の世話をしているので
犀川の情報にいくらでも触れることが出来る環境にいるからです。

 

 

この伏線が有限と微小のパンでのラストが見事に描かれるわけですが
ドラマではこの部分をカットしているのでどのようにラストに持っていくのかは興味があると同時に

 

原作で最も面白い部分をカットしたことに失望もしました。

 

ただし、ドラマでは今後すべてがFになるを放送するのでこれから儀同世津子ならびに
瀬戸知衣が登場するのかもしれませんが、

 

公式サイトでの予告を見る限り儀同世津子は登場しなさそうです・・・。

 

設定を全く変えて別の瀬戸知衣を創りだすのかもしれない。

 

もし瀬戸知衣のような、真賀田四季の別の人格であり変装した人物が犀川のそばにいないのであれば
ドラマ版は原作とは全く別のS&Mシリーズであると言わざるを得ないでしょう。

 

すべてがFになるから始まるこのシリーズは萌絵と犀川創平という凡人よりも
かなり優れた頭脳を持つ二人が真賀田四季という天才の思考に触れることで

 

思考の幅が広がり、少しづつ成長していく物語であるとも言えると思います。

 

ちなみに余談ですが
この二人は後に婚約しますが結婚するところまでは書かれていません。

 

すべてがFがになるのFとは


 

これは真賀田四季が密室から脱出するためのトリックのキモとなるのがFという文字です。

 

 

このfは文字ではなく数字のFで
16進数の「f」です。

 

すべてがFになるの舞台でも密室がでてくるのですがこの密室は電子ワックがかかっていて
出入口は録画されているのですが、ビデオには誰も出口からでてきた映像はありません。

 

ではどうやってこの密室から脱出したのかという謎の答えがFです。

 

コンピュータはデーターを我々が慣れ親しんだ10進法ではなく
2進数か16進数で管理しているのですが

 

16進数では1桁の最大の値がFになります。
(1.2.3.4.5.6.7.8.9.A.B.C.D.E.F)

 

コンピュータが管理する数字がすべてFになる時にドアのロックが開くという
プログラムを天才プログラマーである真賀田四季が仕込んでいたということです。

 

ビデオに映らない謎は割愛しますが、
32bitのコンピュータがためられる数字は10進数でいうと「4294967295秒」、
つまり約7年後に扉が開くことを最初から真賀田四季はプログラムしていたということです。

 

こうして島を脱出した真賀田四季がその後なぜ犀川のそばにいたのかというと
このトリックを犀川が解決したことにより

 

天才であるがゆえに孤独な真賀田四季にとって
初めて自分と同じ思考回路を持っていると思われる犀川に興味をもったのでしょう。

 

 

原作のすべてがFになるは作者の森博嗣が最初に書いたS&Mシリーズではなく
編集者の意向で1作目になったことは明らかになっているので

 

もしかするとこのドラマの順番が本来の森博嗣の構想だったのかもしれないので
ドラマの楽しみとしてこの順番で原作を読んだらどうなるのかを想像しながら
ドラマを見るのも楽しいと思います。

 

またドラマから原作に興味をもった方はドラマ通りの順番で読んでも面白いと思いますし
原作の出版順で読んで、ドラマとは違った展開のすべてがFになるを楽しんで欲しいと思います。

 

おまけ:ドラマ版犀川創平に関して

PCがWindows、たばこをあまり吸わない、コーヒーをあまり飲まない、なんかおしゃれ感がある
などなど原作ファンからすると違和感がありまくる犀川創平ですが

 

個人的には綾野剛演じる犀川創平を気に入っています。

 

あのぎこちない感じが意外にも、こんな感じなんじゃないかと思えてきたんですが
ガリレオの湯川学に負けない天才である犀川創平にあまり天才感がないのが残念です。


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