経口補水液は熱中症になってから

経口補水液は熱中症になってから飲むべきなのか?

 

 

経口補水液は厚生労働省サイトにおいて「熱中症予防のために」というページに『こまめに水分・塩分、経口補水液などを補給しましょう。(原文ママ)』と書かれており、熱中症の予防対策として飲むべき飲料である。

 

 

しかし、とある雑誌に経口補水液は「予防ではなく治療のために」飲むべきであり、脱水症状の初期段階では水や麦茶・市販のスポーツドリンクを飲んだほうがよいと書かれていた。

 

 

どちらが正しいのかを調べてみると、厚生労働省の熱中症予防とは健康な人が熱中症になりたくないから飲むことを推奨しているというよりは、軽度の脱水症状になってしまった際に重篤な症状に発展させないための予防という意味なのではないかと思われる。

経口補水液は熱中症になってから飲むべきか

経口補水液正面

 

 

実際に厚生労働省認可の個別評価型病者用食品の飲料「OS-1」を買ってきました。

 

 

まず注意して見ていただきたいのがこの画像

 

経口補水液注意書き

 

 

1日に目安量がそもそも学童から成人までにおいて1000mlまで(500mlペットボトルで2本)となっていること、脱水状態に合わせて適宜増減しろと書かれています。

 

 

さらに注意してほしいのがこの表記

 

 

 

医師から脱水状態の食事療法として指示されてた場合に限りお飲みください。〜中略、食事療法の素材として適するものであって、多く飲用することによって原疾患が治癒するものではありません」

 

 

熱中症になりたくないし、喉乾いたから経口補水液を飲も〜というような使い方には適してない可能性が高いですよね。

 

 

僕は熱中症予防アイテムとして経口補水液があると思っていたのですが、脱水症状になっている人の治療用の飲料と受け止めておいたほうがよさそうです。

 

 

経口補水液を飲むべき症状

 

では、どのような症状や・状況のときに経口補水液を飲むべきなのでしょうか?

 

 

まずは軽度の脱水症状、軽度の熱中症とはどのような症状を指すのかを確認します。

 

 

経口補水液が必要なのは以下の状況です。

 

 

T度の症状が出現したら、すぐに冷所へ非難し、安静し、身体を冷やし、経口補水液(ORS)を飲みます。

 

 

この定義は平成29年5月22日環境省主催で行われた熱中症対策シンポジウムから持ってきました。

 

参考資料:http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/sympo/20170522.pdf

 

 

この資料によると、T度の症状とは

 

  • 大量の発汗
  • めまい、立ちくらみ(失神:一時的な意識消失)
  • 筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)

 

 

筋肉の硬直や”つる”症状は、大量の汗をかいたのに、水分のみを補給した結果血液の塩分濃度低下によるとされています。

 

 

汗がでないからといって油断は禁物。

 

 

オーバーヒートと呼ばれる症状で、皮膚は熱くなりさらさらと乾いた状態で、汗が出ないこともあります。

 

 

軽度I度の症状は体重減少は1〜2%、見た目にはわからない脱水症状だそうです。

 

脱水症状時経口補水液の飲み方

 

経口補水液の飲み方は 冷たくしてごくごく飲むのではなく(胃腸に負担がかかる)自力で飲めない人はスプーン、飲める人もちびちび飲むこと。

 

 

ゆっくりと摂取することが重要です。

 

 

熱中症になった人がそばにいた場合、軽度のT度だと思われる症状でも誰かがそばで見守り、改善しない場合、悪化する場合は、必ず病院へ搬送することが推奨されています。

 

 

経口補水液を与えるときも、ごくごく飲まないように付き添いの方が補助してあげるといいかもしれません。

 

 

熱中症対策シンポジウムの資料によるとT度の軽度脱水症状の場合は、経口補水液を500mlゆっくりと摂取するのが目安となっています。

 

 

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経口補水液を飲みすぎるとどうなる?

 

経口補水液は予防として誰でも暑い日にグビグビ飲むものではないことはわかりましたが、健康な人が経口補水液を飲むとどうなるのでしょうか?

 

 

OS-1の公式HPには”健康な場合に飲んでいただいても結構です”と明記されていますし、医師の指示がないと飲んではいけないのかというと、メーカーの回答としては「購入については、特別な規制等はない」としています。

 

 

僕が読んだ雑誌には「健康な人が飲みすぎると高血圧や心不全になることもある」と書かれていて、必ず1日1000mlまでの容量を守ること、というよりも予防ではなく、治療に経口補水液を使うべきなので、健康な人がT度の脱水症状になる前の段階においては水・お茶・スポーツドリンクを飲むことを推奨していました。

 

 

このT度よりも軽度の脱水症状とは、寝ている間に失われる水分の補給をせずに(就寝中におしっこで起きたくないといった理由など)寝てしまうことによって引き起こされる脱水症状を想定していた記事でした。

 

 

学童から成人においては、経口補水液は医師に指示もしくは、軽度の脱水症状(もしくはその可能性があるとき)以外は飲まないほうが良いと思われますが、高齢者の経口補水液摂取も予防として摂取するのは控えるべきなのでしょうか?

 

 

 

非脱水症の高齢者における、長期間の経口補水療法(ORT)の安全性および有効性を検証した論文によると、

 

 

 

30日間継続的に経口補水液を1日当たり500〜1,000mL摂取させた結果、長期間の経口補水液摂取における安全性が証明されたと論文では結論付けています。

 

 

 

しかし、肝心の脱水予防の効果に関しては脱水予防の証明には至らなかったという結論がでています。

 

 

 

参照:高齢者介護施設における長期の経口補水療法実施の安全性と有効性に関する検討
−非脱水症例を対象にした30日間の実施−

 

URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/29/2/29_733/_article/-char/ja/

 

 

 

高齢者は脱水症状になりやすいとされており、特に水分だけでなく塩分も失われている脱水症状になる危険性が高く、水分だけを補給しても脱水の改善は見込めない場合があります。

 

 

その場合、経口補水液には塩分も糖分も含まれているので経口補水液の摂取は有効であり、経口補水液の準備もしくは塩と砂糖などを用いて代用するのが推奨されていますので、脱水症状が疑われる場合は早めに経口補水液を摂取することも頭に入れておくべきでしょう。

 

 

 

熱中症予防・対策簡易まとめ

熱中症対策まとめ

 

 

 

ここまでの記事を簡単にまとめると

 

 

経口補水液さえ飲んでおけば熱中症を予防できるということではない。

 

 

経口補水液は水分補給というよりは、軽度から中度の脱水症状に対応するための飲み物であり、熱中症を予防するものではないと考えたほうがわかりやすい。
(※これはあくまでも私見ですので、参考程度にしてください)

 

 

熱中症対策としては日々の水分補給を基本とする。

 

 

特にわすれがちなので注意が必要なのが、就寝前(就寝中に水分が失われる)と飲酒後の水分補給。

 

 

運動の前後も必ず水分を補給すること。

 

 

そしてすべての健康の基本であるきちんと食事を摂ること。

 

 

特に中学生や高校生など、不規則な生活で朝ごはんを抜く生活をしている場合、若いから大丈夫だとおもって朝食を食べずに学校に行くのはやめて、しっかりと食事を摂る。

 

 

その他に考えられる熱中症対策として

 

 

適切な休憩、体に負担をかけない締め付けの弱い服装、エアコンや扇風機などの使用、外出時に暑い場所にいるときは木陰にはいる、体に水をかけたり、濡れタオルを使ってあおぐなど体を冷やすことを意識する。

 

 

脱水症状は水だけでは解消できないと考え、水だけでなく塩分の含まれたスポーツドリンクを利用することを常に頭にいれる。

 

 

 

経口補水液とスポーツドリンク 比較

 

種類 ナトリウム カリウム クローム
経口補水液(OS1) 50 20 50 2.5
スポーツドリンク 9〜23 3〜5 5〜18 6〜10

 

経口補水液は、スポーツドリンクよりも電解質(ナトリウムなどの塩分)が高く、糖分が低いのが特徴です。

 

 

経口補水液は健康なときは少ししょっぱく感じ、脱水状態だとちょうどよいと感じるとも言われており、飲んだときの健康状態の目安の一つといわれています。

 

 

熱中症の症状

熱中症症状

 

以下は環境省主催の「熱中症対策シンポジウム」を参照に大事な点だけを紹介しますので、詳しく知りたい方は上述のPDFをお読みいただくか、環境省のサイト「熱中症予防情報サイト」にアクセスしてください。

 

 

熱中症対策シンポジウムPDF
熱中症予防情報サイト

 

まず熱中症の具体的な症状を知るよりも大切なことを紹介します。

 

 

熱中症は重症度によってT度、U度、V度と分けられていますが、よく見られる症状であって、その重症度では必ずそれが起こる、あるいは起こらなければ別の重症度に分類されるものではありません。

 

 

T度は現場にて対処可能な病態
U度は速やかに医療機関への受診が必要な病態
V度は入院加療です

 

 

ここで大事なことはT度であっても、U度に移行すれば病院に運ぶべきだということです。

 

 

T度とU度の症状は素人判断するのは難しいでしょうが、個人的に重要だなと思ったことは症状が少しでも悪化したと思ったときは迷わず医療機関に行くことです。

 

 

これは熱中症だと思われる症状を訴えている人に付き添っている場合にはより迅速に判断すべきでしょう。

 

 

経口補水液をゆっくりと与え、体を冷やし、冷所で安静にしていても変化がない、もしくは悪化しているような場合は本人ではなく付き添っている人が判断しなければいけないことだ思われるからです。

 

 

では具体的な症状を重症度別にみてみると

 

 

重症度 症状
T度 めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、大量の発汗、意識障害がない
U度 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下

 

V度の具体的な症状を書いていないのは、U度の段階で医療機関に運ぶのでV度の症状は素人が判断するものではないことと、U度の症状もしくはT度の症状が改善しない場合に、いかに早く医療機関に行くのかが大事です。

 

めまい、立ちくらみ、生あくびがあったからといって自分が熱中症だと判断するのは難しいでしょうが、暑い場所にいる、もしくはいたあとに起こり得る症状のすべてに熱中症の可能性があることを念頭においてください。

 

 

それとU度になると判断力が低下するので、自己判断でT度なのかU度なのかを判断し、医療機関に行くべきかを決めるのは難しいかもしれません。

 

 

自分ひとりしかおらず熱中症の症状が出ている場合は、常に医療機関にいくことも頭に片隅に入れておくと良いでしょう。

 

 


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